平成27年4月1日
日本原子力研究開発機構
原子力基礎工学研究センター 環境動態研究グループでは、開発中の包括的放射性物質動態予測システムSPEEDI-MP(SPEEDI Multi-model Package)を用いて、 福島第一原子力発電所から大気及び海洋に放出された放射性物質の拡散シミュレーションを実施し、解析結果を発表してきました。 今回、それらの解析結果に基づき作成した動画をまとめました。 なお、これらの解析は、あくまでも計算シミュレーションであり、放出量情報も暫定的な数値に準拠しているため、 実際の分布及び線量を保証するものではありませんが、現在わかる範囲で、放射性物質の拡散状況と線量分布を概観する上での参考情報として公開を行うものです。
1.原子力機構プレス発表(2011年6月13日):3月15日~16日の線量上昇プロセスを解析 原子力機構は、東京電力福島第一原発から大量の放射性物質の放出があったと推定される3月15日~16日の線量上昇プロセスを解析しました。 詳細はこちらをご覧ください。
原発北西部の線量上昇過程:空間線量率、降水量及びI-131鉛直積算濃度の時間変化(2D-動画)
動画の見方:動画は、線量分布の空間的広がりと降雨分布をカラーの面塗りで、放射性物質の動きを鉛直積算地上濃度(Bq/m2)の等値線(赤線)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
2.論文発表:Numerical reconstruction of high dose rate zones due to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident 上記プレス発表について、さらに詳細な解析を行い論文としてまとめました。 この論文は、以下の英語ジャーナルのWEBページに掲載されています。 Katata et al., Journal of Environmental Radioactivity (2011), doi:10.1016/j.jenvrad.2011.09.011
原発北西部の線量上昇過程:真上から見た3D-動画(MPEG形式:約13MB)、南東方向から見た3D-動画(MPEG形式:約13MB)
動画の見方:動画は、線量分布の空間的広がりをカラーの面塗りで、放射性物質の動きを大気中濃度(Bq/m3)の等値面(白色、灰色:高濃度)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
3.原子力機構技術解説(2011年6月15日):WSPEEDIを用いた全国の被ばく線量試算 東京電力福島第一原子力発電所事故発生後2ヶ月間の日本全国の被ばく線量を世界版SPEEDI(Worldwide version of SPEEDI)を用いて、暫定的に試算しました。 詳細はこちらをご覧ください。
事故発生から2ヶ月間の外部被ばく実効線量の試算結果(2D-動画):AVI形式(約119MB)、WMV形式(約6MB)
動画の見方:動画は、線量分布の空間的広がりをカラーの面塗りで、放射性物質の動きを地上濃度(Bq/m3)の等値線(赤線)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。4月以降は、外部被ばく線量で沈着核種からの微増が継続している。
事故発生から2ヶ月間のI-131の吸入による実効線量の試算結果(2D-動画):AVI形式(約123MB)、WMV形式(約6MB)
動画の見方:動画は、線量分布の空間的広がりをカラーの面塗りで、放射性物質の動きを地上濃度(Bq/m3)の等値線(赤線)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
4.原子力委員会等説明(2011年9月6日他):WSPEEDIによる中部・関東・東北地方でのI-131及びCs-137の大気降下の試算結果 中部・関東・東北を含む東日本におけるI-131及びCs-137の広域拡散と大気降下について4月末までの試算を行い、 厚生労働省(8月31日プレス発表)、 茨城県(9月2日:詳細はこちらをご覧ください。)、 原子力委員会(9月6日)に、その結果を提供しました。特に、原子力委員会への報告では、4月末までのCs-137降下量に加えて、日々の大気降下のプロセスの解明も含めた報告を行っています (詳細はこちらをご覧ください)。
広域大気拡散解析:東日本におけるI-131の広域拡散と大気降下量(2D-動画)
動画の見方:動画は、I-131の大気降下量分布の空間的広がりをカラーの面塗りで、大気中のI-131の動きを地上濃度(Bq/m3)の等値線(青線)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
広域大気拡散解析:東日本におけるCs-137の広域拡散と大気降下量(2D-動画)
動画の見方:動画は、Cs-137の大気降下量分布の空間的広がりをカラーの面塗りで、大気中のCs-137の動きを地上濃度(Bq/m3)の等値線(青線)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
広域大気拡散解析:東日本におけるI-131の広域拡散と大気降下量(3D-動画)
動画の見方:動画は、I-131の大気降下量分布の空間的広がりをカラーの面塗り(茶~赤)で、大気中のI-131の動きを大気中濃度(Bq/m3)の等値面(灰色、紫)で、降水分布をカラーの面塗り(水色~紫)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
西から東に移動する降水域と放射性プルームが重なるところで降下量が増加する様子を示している。
広域大気拡散解析:東日本におけるCs-137の広域拡散と大気降下量(3D-動画)
動画の見方:動画は、Cs-137の大気降下量分布の空間的広がりをカラーの面塗り(茶~赤)で、大気中のCs-137の動きを大気中濃度(Bq/m3)の等値面(灰色、紫)で、降水分布をカラーの面塗り(水色~紫)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
西から東に移動する降水域と放射性プルームが重なるところで降下量が増加する様子を示している。
5.論文発表(2011年11月1日):Preliminary Numerical Experiments on Oceanic Dispersion of 131I and 137Cs Discharged into the Ocean because of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Disaster 東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の海洋放出量について試算を行い (海洋放出量試算についてはこちらをご覧ください。)、 WSPEEDI解析による大気からの沈着も考慮して、福島沖海域における放射能濃度分布のシミュレーションを実施しました。 この解析結果をまとめた論文は、原子力学会英文論文誌に掲載されています。 Kawamura et al., Journal of Nuclear Science and Technology, Vol.48, No.11, p.1349-1356 (2011)
海洋拡散解析:日本近海でのI-131表層濃度分布の予測:3月12日~4月30日までのシミュレーション(2D-動画)
動画の見方:動画は、I-131表層濃度分布の空間的広がりをカラーの面塗りで示している。日時は日本時間で上部に表示されている。
6.公開ワークショップ「福島第一原子力発電所事故による環境放出と拡散プロセスの再構築」(2012年3月6日) 東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の海洋放出量の推定値を用いて海洋拡散プロセスについてシミュレーションを行いました。 公開ワークショップについてはこちらを、発表資料についてはこちらをご覧ください。
海洋拡散解析:日本近海でのCs-137表層濃度分布の予測:3月12日~4月28日までのシミュレーション(2D-動画)
動画の見方:動画は、Cs-137表層濃度分布の空間的広がりをカラーの面塗りで示している。日時は日本時間で上部に表示されている。
7.日本原子力学会2013年春の年会発表(2013年3月27日):東日本におけるCs-137の広域拡散と沈着量分布 WSPEEDIの沈着計算過程の改良により、文部科学省航空機モニタリングによるCs-137沈着量分布の再現性が向上しました(日本原子力学会2013年春の年会で発表:D23)。
広域大気拡散解析:東日本におけるCs-137の広域拡散と沈着量分布(2D-動画)、WMV形式(約3MB)
動画の見方:動画は、Cs-137の沈着量分布の空間的広がりをカラーの面塗りで、大気中のCs-137の動きを地上濃度(Bq/m3)の等値線(紫線)で、地上風分布をベクトルで示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
広域大気拡散解析:東日本におけるCs-137の広域拡散と沈着量分布(3D-動画):3D-AVS使用(約270MB)(3D AVS Playerのインストールが必要です。)
動画の見方:動画は、Cs-137の大気降下量分布の空間的広がりをカラーの面塗り(茶~赤)で、大気中のCs-137の動きを大気中濃度(Bq/m3)の等値面(灰色、紫)で、降水分布をカラーの面塗り(水色~紫)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
西から東に移動する降水域と放射性プルームが重なるところで降下量が増加する様子を示している。
8.日本原子力学会2014年春の年会発表(2014年3月27日):大気・海洋拡散モデルを用いた福島第一原発事故による放射性物質の大気放出量の推定 新たなモニタリングデータ、WSPEEDIの改良モデル、海洋拡散モデルとの結合解析等により、大気放出量の再推定を行っています(日本原子力学会2014年春の年会で発表:B22)。
3月12日の大気拡散解析:福島県における大気拡散と沈着分布(3D-動画):3D-AVS使用(約139MB)(3D AVS Playerのインストールが必要です。)
動画の見方:動画は、Cs-137の大気降下量分布の空間的広がりをカラーの面塗り(茶~赤)で、大気中のCs-137の動きを大気中濃度(Bq/m3)の等値面(灰色、紫)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。
3月14~16日の大気拡散解析:福島県における大気拡散と沈着分布(3D-動画):3D-AVS使用(約337MB)(3D AVS Playerのインストールが必要です。)
動画の見方:動画は、Cs-137の大気降下量分布の空間的広がりをカラーの面塗り(茶~赤)で、大気中のCs-137の動きを大気中濃度(Bq/m3)の等値面(灰色、紫)で示している。
日時は国際標準時(日本時間は9時間加算)で上部に表示されている。