グループの研究内容
粒子線に対する生物学的線量評価モデル
陽子や重イオンなどの粒子線は、光子や電子などと比較して人体への影響が大きいため、放射線治療に用いれば絶大な効果を得られる一方、
望まない形で被ばくした場合は人体に深刻な影響を与える可能性があります。
そこで、私たちは、これまで独立して発展してきた臓器や組織サイズに着目するマクロドジメトリと細胞サイズに着目するマイクロドジメトリの知見を融合し、
粒子線による生物効果の違いを適切に考慮した生物学的線量評価モデルの開発を目指した研究を進めています。
詳細な研究内容については、日本語の解説記事をご参照ください。
また、最近の研究により、開発したモデルを活用し、
粒子線治療・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)・α線核医学治療などの高い治療効果をミクロな線量分布の不均一性から解明しました。
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細胞質(左)と細胞質(右)にBNCT用薬剤が集積した場合の線量分布
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研究成果に関係するリンク
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)によるがん細胞殺傷効果の理論的な予測に成功(2018年2月プレス発表)
BNCT の治療効果を細胞レベルの線量分布から予測する(アイソトープニュース2018年12月号)
関連論文
[1] T. Sato et al., Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys. Ahead-of-print (2022).
[2] T. Sato et al., Radiat. Prot. Dosim. 183, 247-250 (2019).
[3] T. Sato et al., Sci. Rep. 8, 988 (2018)
[4] T. Sato et al., PLOS ONE 9(11), e114056 (2014)
[5] T. Sato et al,, PLOS ONE 9(6), e99831 (2014)
[6] T. Sato et al., Radiat. Res. 178, 341-356 (2012)
[7] T. Sato et al., Int. J. Radiat. Biol.88, 143-150 (2012)
[8] T. Sato et al., Prot. Dosim. 143, 491-496 (2011)
[9] T. Sato et al., Radiat. Res. 171, 107-117 (2009)
[10] T. Sato et al., Radiat. Prot. Dosim. 122, 41-45 (2006).
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