軽水炉の設計、事故時対応策の策定、安全性の向上のための機器の追加などを行う上で、
熱や流体の動き(熱流動) を把握あるいは評価す
ることは重要です。これまでの軽水炉の設計は、機器などを実寸大で模擬した実験(実規模試験)によるデータをもとに行われてきました。この
場合、試験装置の建設や維持、試験の実施に多くの資金・マンパワーが必要になります。
これに対し、最近の計算機や計算技術の発達に伴い、多くの工業分野で数値流体力学(Computational Fluid
Dynamics, CFD)を用いた熱流動現象の解析による設計やその事前評価が行われていま
す。軽水炉の設計においてもCFDが適用できれば、実規模試験の頻度・規模を最適化する(究極的には無くす)
ことが可能になること期待できます。
しかし、軽水炉で現れる熱流動現象は
大規模かつ複雑な構造物内で起こること、蒸気(気相)や水(液相)が混ざった流れ(二相流)や、気相・液相・固相が混ざった流れ(多相流)が対象となる場合が多いなどの課
題があります。
熱流動技術開発グループでは、大規模な二相流・多相流に対する熱流動数値解析手法の確立を目指し、大型計算機を利用した二
相流・多相流シミュレーションコード・モデルの開発や 開発したコードの妥当性確認、モデル開発のための実
験データの取得、実験データ取得のための計測技術の開発を行っています。開発
した数値解析手法や計測技術は、軽水炉安全性向上のための研究に適用しています。また、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故の
推移の数値解析や廃炉に貢献するための研究への適用も進めています。
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