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軽水炉燃料の次世代再処理、高速炉のための核燃料サイクル、さらにADS(加速器駆動システム)による革新的な分離変換サイクルの実現に向けた研究開発を行っています。

燃料サイクルシステムの安全性向上、コスト低減、さらに放射性廃棄物に含まれる長半減期核種の群分離と核変換による有害度低減・減容化に貢献するため、ウラン、プルトニウムに加えてネプツニウム、アメリシウムといったマイナーアクチノイド(minor actinides, MA)や核分裂生成物(fission products, FP)を効率的に処理できる新しい分離プロセスの技術開発を進めています。

その一つとして、高レベル放射性廃液の有害度低減・減容化を目指したSELECTプロセス(Solvent Extraction of Liquidwaste using Extractants of CHON-type for Transmutation)を提案しました。

SELECTプロセスのプレス発表


研究内容へのご質問やマイナーアクチノイドの抽出分離に関する研究に興味のある方は、こちらのお問い合わせフォームからご連絡をお願いします。


研究発表(投稿論文、国際会議など)


研究開発テーマ

·         SELECTプロセスの開発
使用済燃料からウラン、プルトニウム、アメリシウム、キュリウムなどを分離回収する手法として、SELECTプロセスの開発を進めています。このプロセス使用する抽出剤は炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)のみから構成されており、使用後の抽出剤を焼却処分できるため廃棄物の発生量低減が期待できます。使用済燃料溶解液には様々な元素が含まれているため、各元素の性質に応じた抽出剤を使用する必要があります。抽出剤の開発とその抽出剤を用いた分離試験を原子力科学研究所 燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)で行っています。

マニピュレータ

抽出器

マニピュレータを用いた試験操作

抽出試験装置

·         マイナーアクチノイド(MA)及び核分裂生成物(FP)の分離に関する研究
MA
及びFPを分離回収するための新しい抽出剤の研究開発を進めています。SELECTプロセスに採用したジグリコールアミド(TODGA, TDdDGA及びニトリロトリアセトアミド(NTAアミド)、Am/Cmを相互分離可能なADAAM、ガラス固化等に影響を与えるジルコニウム(Zr)やモリブデン(Mo)を分離可能なHAA等を開発し、それらの基本特性を調べるとともに、分離性能の発揮メカニズムの研究を進めています。さらに、高レベル放射性廃液の有害度低減・減容化を実現するため、必要とされる分離プロセスの性能及び分離対象元素を評価し、処理に伴う新たな廃棄物を発生しない分離プロセスの構築を目指して新規な抽出剤とこれを利用した分離プロセスの開発を進めています。NUCEFではアクチノイド元素を用いた基礎実験から実際の使用済燃料を使用した試験まで展開しています。

·         再処理プロセス化学・ハンドブック 第3
湿式再処理技術に関する様々な既往データや、NUCEFで実施した試験研究で得られた知見をとりまとめ、20153月に再処理プロセス化学・ハンドブック第3を刊行しました。JAEAウェブサイト(JOPSSから入手できます。「ハンドブック」で検索してください。

·         溶媒抽出プロセス解析コードの開発
ハンドブックと並行して、PUREX再処理で用いられる多段溶媒抽出プロセスのための解析コードPARC (Program for Advanced Extraction Process with Radiation Effect Calculation) の開発を進めています。プロセス内を移行するウラン、プルトニウム等の濃度分布の過渡的挙動と定常状態を予測できます。TBPを抽出剤とする基本バージョンはRISTより入手が可能となっています。


メンバー

伴 康俊           BAN Yasutoshi

宝徳 忍           HOTOKU Shinobu

津幡 靖宏        TSUBATA Yasuhiro

森田 圭介        MORITA Keisuke

筒井 菜緒        TSUTSUI Nao

樋川 智洋        TOIGAWA Tomohiro

中村 聡志        NAKAMURA Satoshi

江森 達也        EMORI Tatsuya

鈴木 英哉        SUZUKI Hideya

木村 崇弘        KIMURA Takahiro

黒澤 達也        KUROSAWA Tatsuya

柴田 光敦        SHIBATA Mitsunobu

川崎 倫弘        KAWASAKI Tomohiro

石井 翔           ISHII Sho

加藤 仁           KATO Hitoshi


お問い合わせ

国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構
茨城県那珂郡東海村大字白方2番地4
JR常磐線 東海駅東口より、茨城交通バス「原研前」で下車

群分離技術開発グループ
燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)管理棟3階 307号室

グループリーダー連絡先
319-1195 茨城県那珂郡東海村大字白方2番地4
日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究センター
分離変換技術開発ディビジョン 群分離技術開発グループ
伴 康俊

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