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成果報告

令和2年度理事長表彰 研究開発功績賞 を受賞

原子力基礎工学研究センター核変換システム研究開発グループの福島昌宏研究主幹と大泉昭人研究員、岩元大樹研究副主幹、西原健司研究主幹は、「加速器駆動システムのための日米共同炉物理実験の完遂」の功績が認められ、令和2年10月に令和2年度理事長表彰 研究開発功績賞を受賞しました*。

核変換システム開発グループでは、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減を目的に、加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発を進めています。ADSでは、鉛ビスマス合金を冷却材として使用することを検討していますが、設計上の信頼性を確保する上で、中性子と鉛の核反応断面積の精度が十分に検証されていないことが課題となっていました。今回、新たに構築された強固な日米協力体制の下で、米国ロスアラモス国立研究所の高濃縮ウランやプルトニウムが装荷された臨界実験装置を用い、鉛の核反応断面積を検証するための複数の実験データを取得することに成功しました。

本研究の成果は、ADS設計の信頼性を向上させるものであり、今後のADSの研究開発の更なる進展が期待されます。

*本共同炉物理実験に参加した米国ロスアラモス研究所の、Joetta Goda氏、Rene Sanchez氏、John Bounds氏、David Hayes氏、Jesson Hutchinson氏、Travis Grove氏、George McKenzie氏、Theresa Cutler氏、Jessie Walker氏、Alex McSpaden氏、Kelsey Amundson氏の以上11名に対しても、機構から、感謝状が贈られています。