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成果報告

第41回日本核物質管理学会年次大会 若手・学生セッション 最優秀発表賞を受賞

原子力基礎工学研究センター核変換システム研究開発グループの大泉昭人研究員は、「加速器駆動システムを用いた分離変換サイクルにおける核不拡散性に関する研究 -サイクル初期の燃焼集合体のAttractiveness評価-」に係る研究成果により、令和2年11月20日に第41回日本核物質管理学会年次大会 若手・学生セッション 最優秀発表賞を受賞しました。

使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物処分の負担軽減のために、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)により核変換させる、分離変換サイクルの研究開発が進められています。扱われる燃料の化学形態や組成が既往サイクルとは異なるため、分離変換サイクルに要求される保障措置(SG)の査察目標や核物質防護(PP)のレベルについて検討する必要があります。本研究では、ADS施設の貯蔵プールに保管されている第一サイクルの燃料集合体について、SGの査察目標やPPのレベルの検討に資する不正利用価値(Attractiveness)が評価され、一般的な沸騰型軽水炉(BWR)のMOX燃料集合体の同評価結果と比較されました。その結果、ADS第一サイクルの燃料集合体は、BWRのMOX燃料集合体よりもAttractivenessが低いということが明らかとなりました。

本研究の成果により、ADS施設の貯蔵プールに保存されている第一サイクルの燃料集合体に対して求められるSGの査察目標やPPのレベルについては、BWRのMOX燃料集合体と同等かそれ以下で十分であることが明らかとなりました。