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日本原子力学会2019年度核燃料部会部会賞(学会講演賞)を受賞

2019.08.01


鈴木恵理子

性能高度化技術開発グループの鈴木恵理子研究員は、日本原子力学会2019年春の年会における「軽水炉シビアアクシデント時のCsと鋼材との化学吸着挙動(1)600℃付近における鋼材へのCs化学吸着挙動に関する実験的研究」の発表に対して、2019年7月11日に、日本原子力学会2019年度核燃料部会部会賞(学会講演賞)を受賞しました。

本研究では、軽水炉シビアアクシデント時の炉内構造材へのセシウム(Cs)の化学吸着挙動について、これまでに主に生じるとされてきた800℃以上の高温域に加えて、600℃付近の比較的低温域でも化学吸着が生じることを見出しました。さらに、高温域に対して比較的低温域では、生成するCs化合物が異なることやCsの化学吸着量の温度依存性が異なる傾向を示すことが分かりました。これらの知見を基に比較的低温域でのCs化学吸着モデルを新たに構築することにより、炉内へ固着したCsの沈着量の幅広い温度域でのより正確な評価に貢献できます。

日本原子力学会 第31回核燃料部会夏季セミナーポスターセッション 優秀賞受賞

2019.07.29


岩佐龍磨

燃料・材料工学ディビジョン燃料高温科学研究グループの新人職員岩佐龍磨は、令和元年7月10日から11日に宮城県で開催された日本原子力学会核燃料部会夏季セミナーの若手ポスターセッションにおいて、「レーザー局所加熱法を用いた融点測定装置の開発-窒化物測定への適応」の題目で発表し、優秀賞を受賞しました。

受賞者は、窒化物や酸化物等の高融点セラミックス燃料の先進的な融点測定手法として、レーザー光を短時間照射して試料表面を局所的に溶融させ、高速応答の放射温度計と分光器を組み合わせて融点を評価するシステムの開発を進めています。窒化物は超高温で揮発しやすい性質があるため、高圧の窒素雰囲気下で揮発を抑制しながら測定するための耐圧試料セルを設計して用いるなどの工夫が必要です。この測定技術が完成すれば、核変換用窒化物燃料の安全性評価に必要な貴重なデータが取得できるほか、福島第一原子力発電所事故で生じた燃料デブリの主成分であるウラン-ジルコニウム系酸化物の融点データ取得にも応用が期待されます。

日本人間工学会論文賞(2019)を受賞

2019.07.08


北村正晴 吉澤厚文 大場恭子

原子力基礎工学研究センターの大場恭子技術副主幹、長岡技術科学大学の吉澤厚文研究員、東北大学の北村正晴名誉教授は、「福島第一原子力発電所事故対応の分析に基づいたSafety-IIの概念活用による安全性向上のための研究」で、令和元年6月15日に日本人間工学会論文賞を受賞しました。

本研究は、これまで失敗や過誤に注目して分析されてきた福島第一原子力発電所事故対応の「さらなる事故進展を食い止めた」側面に着目し、レジリエンスエンジニアリングを用いて3号機の注水回復の事例を分析したものです。分析の結果から、既存の事故調査の事故対応の捉え方と異なった視点をもつ安全性向上の学習の在り方を明らかにしました。

日本材料学会 平成30年度学術奨励賞を受賞

2019.05.31


都留智仁

照射材料工学研究グループの都留智仁研究副主幹は、「欠陥組織と合金化に起因した力学特性の評価に関する原子・電子論的研究」の成果により、日本材料学会 平成30年度学術奨励賞を受賞しました。

受賞者は、材料内部の欠陥組織や合金元素の力学特性への影響を評価するための手法としてHybrid並列原子シミュレーション手法や周期境界の元で転位の弾性場を求める方法を構築し、原子・電子レベルの欠陥からマクロな力学特性を評価するアプローチを提案しました。力学特性の基礎となる転位挙動を理解することによって、構造材料の変形機構や機能向上の要因を明らかにしました。

遠藤 章センター長が紫綬褒章を受章

2019.05.20


遠藤章

令和元年春の褒章において、原子力基礎工学研究センター 遠藤 章センター長が紫綬褒章を受章することが決定しました。紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた個人に授与されるものです。

遠藤センター長は、放射線に由来する被ばく線量を評価するために世界で広く利用される線量評価用データベースを開発し、先進的な核医学診断・治療法の研究、最先端の研究を牽引する加速器の開発などへの道を拓きました。これにより、放射線利用を通じた医療や学術研究の発展に貢献した功績が評価され、紫綬褒章を受章することになりました。

褒章伝達式、天皇陛下拝謁は5月30日(木)に予定されています。

リンク:業績の概要

平成31年度日本原子力学会北関東支部若手研究者発表会 一般の部 最優秀発表賞を受賞

2019.05.13


日下良二

放射化学研究グループの日下良二研究員は、平成31年度日本原子力学会北関東支部若手研究者発表会(4月19日)における「溶媒抽出元素分離技術の向上を目指した基礎科学研究」の発表に対して、一般の部 最優秀発表賞を受賞しました。

溶媒抽出法は、原子力の分野において一般的に利用される金属元素の分離法で、水(水相)と油(有機相)を接触させ、両相の間の界面を金属イオンが行き来することによって分離する方法です。本研究では、振動和周波発生分光法を用いて、水相と有機相の界面において形成する金属イオンの構造を明らかにし、界面構造に着目した新しい発想で溶媒抽出性能の向上が期待できることを示しました。今後、溶媒抽出法を利用した再処理や高レベル放射性廃液処理の簡略化など新しい溶媒抽出法の開発に貢献できる成果です

第30回日本原子力学会 熱流動部会 部会賞 優秀講演賞を受賞

2019.04.23


山下晋

熱流動技術開発グループの山下晋研究員は、日本原子力学会2018年秋の大会における「シビアアクシデント時の燃料破損・溶融過程解析手法の高度化(1)炉内構造物の溶融移行挙動詳細解析コード整備」の発表に対し、平成31年3月20日に第30回日本原子力学会 熱流動部会 部会賞 優秀講演賞を受賞しました。

受賞者は、過酷事故時の溶融物移行挙動評価のため開発している、多次元多相流詳細熱流動解析コードJUPITERに対して、各溶質の濃度に応じた融点を与える熱力学データベースを適用させるとともに、溶質の濃度を与える拡散方程式及び流体の支配方程式との連成解析を行うための改良を行い、詳細な共晶反応溶融シミュレーションを可能にしました。日本原子力学会2018年秋の大会においてこの成果を含む発表を行い、その研究開発の内容などが評価され、今回の受賞になりました。JUPITERが持つ大規模計算と共晶反応モデルを組み合わせたシミュレーションにより、過酷事故初期段階における溶融事象のより詳細な理解に資するものと期待されます。

第51回日本原子力学会技術賞を受賞

2019.04.23


多田健一、山下晋、吉田啓之

熱流動技術開発グループ山下晋研究員と吉田啓之グループリーダー、炉物理標準コード研究グループ多田健一研究員は、「数値流体力学に基づく炉内溶融・移行挙動数値シミュレーションコードJUPITERの開発」に対し、第51回日本原子力学会賞 技術賞を受賞しました。

原子力発電所の過酷事故では、冷却材の喪失により高温になった核燃料と周囲の構造物が溶融し、原子炉格納容器内に移行、蓄積することが想定されます。しかし、蓄積した場所、蓄積物の形状や溶融し落下した核燃料物質と構造物の組成分布などについて予測は難しく、過酷事故評価の課題となっています。この課題に対して、数値流体力学に基づき運動量やエネルギーなどの各種保存式を直接取り扱うことで解析による予測を可能とする解析コードJUPITERを開発しました。JUPITERにより、溶融した炉内構造物等が原子炉格納容器の下部へ溶け落ちるシミュレーションを行い、下部ペデスタルに堆積する溶融物の形状、分布や燃料物質と構造物の組成分布が計算により得られることを確かめました。

さらに、得られた組成分布を入力として連続エネルギーモンテカルロコードMVPにより中性子実効増倍率の計算を行うことで、下部ペデスタルにおける再臨界の可能性について検討できることを示し、本技術の有効性を示しました。本技術については、各溶融物成分・凝固物成分間の化学反応を考慮できるようにするなどの改良を進めています。

平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)を受賞

2019.04.18


小嵐淳

原子力基礎工学研究センター環境動態研究グループの小嵐淳研究主幹が、「放射性炭素の大気放出と環境中移行に関する総合的研究」の業績により、平成31年4月17日に平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞しました。

放射性炭素(14C)は、核燃料サイクルに起因する公衆の被ばく線量評価において最も重要な核種です。このため、原子力施設から放出される14Cの実態(量や化学形態)とその後の環境移行の解明及びそれに基づく環境影響評価手法の確立が強く求められていました。受賞者は、14Cの放出実態と環境中移行を解明できる様々な研究手法を考案・開発し、包括的な調査に基づいて得られた知見を活用して、国際プロジェクトにおいて世界初となる14C環境移行モデルの開発・検証研究を実現しました。本研究によって、14Cの放出実態と環境中移行の全容を解明することに成功し、すべての原子力施設に適用可能な信頼性の高い環境影響評価手法を確立しました。さらに本研究成果は、炭素循環研究への応用により気候変動の仕組みの解明にも寄与することが期待されています。

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平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞

2019.04.18


大図章、呉田昌俊、米田政夫

原子力基礎工学研究センター研究推進室の呉田昌俊室長、原子力センシング研究グループの大図章研究主幹、米田政夫研究副主幹が、「核燃料物質管理のための革新的高感度センシング技術の開発」の業績により、平成31年4月17日に平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞しました。

受賞者らは、原子力施設から発生する密封された廃棄物ドラム缶中の核燃料物質の総質量を、開封することなく測定できる革新的な技術として、高感度センシング技術「高速中性子直接問いかけ法」を世界に先駆けて開発しました。この技術の長所は、廃棄物の種類や不均質さ、核燃料物質の位置等の内容物の状態による影響を小さく抑えている点にあり、従来手法よりも高精度かつ短時間で核燃料物質の総質量を非破壊で測定できます。開発した装置は、原子力規制庁から計量管理用装置として認められ、廃止措置中の施設の実廃棄物ドラム缶(1,802缶)の計量管理に使用されました。

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第14回日本原子力学会 再処理・リサイクル部会 部会賞 業績賞を受賞

2019.04.11


佐藤匠、林博和、中村聡志、津幡靖宏

原子力基礎工学研究センター分離変換技術開発ディビジョンMA燃料サイクル技術開発グループの林博和グループリーダー、津幡靖宏技術副主幹、佐藤匠研究副主幹(兼務)、舘野春香研究員、明石信、中村聡志が、「国際学会International Pyroprocessing Research Conference 2018(IPRC2018)の初の国内開催に成功」によって、平成31年3月22日に、第14回日本原子力学会 再処理・リサイクル部会 部会賞 業績賞を受賞しました。

受賞者は、2018年10月24〜26日に日本原子力学会が主催し東海村で行われた国際学会International Pyroprocessing Research Conference 2018(IPRC2018)の実行委員会及び現地スタッフの一員として開催に貢献しました。この国際会議は、原子力の分野で溶融塩を用いる乾式再処理などの研究開発を主題としたもので、2006年から一年おきにアメリカ、韓国、ロシアで開催され、今回初めて日本で開催しました。本会議の参加者は、日本からの20名を含めて、7か国から63名、発表数は口頭・ポスター合わせて54件であり、前回同様の規模で初の国内開催に成功しました。

JNST Most Cited Article Award 2018を受賞

2019.04.05


中村詔司、古高和禎、小泉光生
原田秀郎、木村敦、藤暢輔

核データ研究グループの木村敦研究主幹らが、日本原子力学会英文誌に投稿した論文「Neutron Capture Cross Sections of 244Cm and 246Cm Measured with an Array of Large Germanium Detectors in the ANNRI at J-PARC/MLF」 (J. Nucl. Sci. Technol., Vol.49, 708-724, 2012) が、出版後5年間で多数の引用がなされたことから、平成31年3月21日にJNST Most Cited Article Award 2018を受賞しました。

この論文は、J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)に設置された高精度中性子原子核反応測定装置(ANNRI)の大型Ge検出器アレイを用いて、重要なマイナーアクチニド核種である244Cm及び246Cmの中性子捕獲断面積を高精度に測定した結果を述べたものです。論文で示された244Cm及び246Cmの4本の共鳴は中性子捕獲反応として世界で初めて測定されたものです。Cmは放射能が高く中性子捕獲反応断面積の測定は困難ですが、本研究で測定可能であることを示しており、これを契機として測定が困難な他のマイナーアクチニドや長寿命核分裂生成物の測定研究が進められています。

第51回日本原子力学論文賞を受賞

2019.04.05


木村敦

核データ研究グループの木村敦研究主幹は、日本原子力学会欧文誌に掲載された論文「Measurements of neutron total and capture cross sections of 241Am with ANNRI at J-PARC, Vol.55, No.10, pp.1198-1211(2018).」によって、平成31年3月21日に、第51回日本原子力学会論文賞を受賞しました。

マイナーアクチノイドの核変換システムの開発においては241Amの精度の中性子捕獲断面積の精度向上が課題です。本研究では、密封試料の高精度定量技術を開発すると共に、中性子全断面積との相互比較により信頼性を向上させ、J-PARC物質・生命科学実験施設に設置された高精度中性子原子核反応測定装置(ANNRI)を用いて、241Amの中性子捕獲反応断面積の絶対値を高精度に決定しました。

本研究で完成させた測定技術は多様な核種への適用が可能であり、核データ絶対値の高精度化に寄与することが期待されます。

平成30年度日本原子力学会核燃料部会 部会賞(学会講演賞)を受賞

2019.04.05


鈴木恵理子

性能高度化技術開発グループの鈴木恵理子研究員は、日本原子力学会2018年秋の大会における「軽水炉シビアアクシデント時に構造材へ化学吸着したセシウム化合物の微細分布評価」の発表に対して、平成31年3月22日に、日本原子力学会平成30年度核燃料部会賞(学会講演賞)を受賞しました。

本研究においては、X線光電子分光分析装置及び透過型電子顕微鏡を組み合わせることにより、軽水炉シビアアクシデント時に炉内高温領域の構造材へ化学吸着したセシウムの化学組成や微細組織の分布をサブミクロンオーダーで評価する手法を開発しました。これにより、微視的に異なる化学吸着プロセスをモデル化することが可能となり、化学吸着により炉内へ固着したセシウムの性状や沈着量のより正確な評価へつながることが期待できます

日本原子力学会英文論文誌(JNST)2018年度最多ダウンロード数論文賞を受賞

2019.04.05


安部晋一郎、古田琢哉、甲斐健師、松田規宏
佐藤達彦、岩元洋介、橋本慎太郎

放射線挙動解析研究グループの岩元洋介研究主幹らが日本原子力学会英文誌(JNST)に投稿した論文「Benchmark study of the recent version of the PHITS code」(J. Nucl. Sci. Technol., Vol. 54, 617-635 (2017) )が、平成31年3月21日にJNST2018年度最多ダウンロード数論文賞を受賞しました。

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、原子力機構、高度情報科学技術研究機構、高エネルギー加速器研究機構などと共同で開発を進めている多目的のモンテカルロ計算コードです。本コードは、あらゆる物質中での様々な放射線のふるまいを核反応モデルや核データなどを用いて再現でき、放射線施設の設計、医学物理計算、放射線防護研究、宇宙線・地球惑星科学など様々な分野の粒子輸送シミュレーションに利用されています。

受賞者らは、様々な分野で利用されるPHITSの信頼性検証を目的として、核反応による粒子生成断面積、中性子輸送計算、光子や電子の散乱等の種々のケースに対する包括的なベンチマーク計算を実施しました。ベンチマーク計算の結果、PHITS による計算結果は実験値を概ね再現しました。一方、エネルギー100 MeV未満の粒子入射反応による粒子生成、陽子とリチウムの衝突により生成される中性子量について、モデルの取扱の問題から実験値を再現しない場合があり、今後のPHITSの改善に対する重要な指針を得ることができました。

全てのベンチマーク計算の結果は、インターネットを介して公開され、様々な分野に応じたPHITSの信頼性の目安として、世界中のユーザーに広く活用されています。本成果は下記のURLからダウンロード可能です。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223131.2017.1297742

日本原子力学会英文論文誌(JNST)2018年度最多ダウンロード数論文賞を受賞

2019.04.03


小林卓也

環境動態研究グループの小林卓也グループリーダーらが、日本原子力学会英文論文誌(JNST)に投稿した論文「Development of a short-term emergency assessment system of the marine environmental radioactivity around Japan」(J. Nucl. Sci. Technol., Vol. 54, 609–616(2017))が、平成31年3月21日にJNST2018年度最多ダウンロード数論文賞を受賞しました。

東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された放射性物質は、北太平洋、特に本州北東部の沿岸海域に深刻な海洋汚染を引き起こしました。このようなシビアアクシデントにより海洋に放出される放射性物質の海洋中移行を調べるために、原子力機構は日本周辺海域における放射性物質濃度を予測する緊急時海洋環境放射能評価システム(STEAMER)を開発しました。STEAMERを緊急時環境線量情報予測システム(世界版)WSPEEDI-IIと結合して用いることで、大気および海洋環境中における正確な放射能汚染予測が可能となります。本論文では、STEAMERに海洋データの入力として用いる2種類の3次元海流場、海洋中放射性物質拡散モデル、モデルの適用例、そしてSTEAMERの機能について記述しました。

第14回日本原子力学会 再処理・リサイクル部会 部会賞 優秀講演賞を受賞

2019.04.03


金子政志

第14回日本原子力学会 再処理・リサイクル部会 部会賞 優秀講演賞を受賞 放射化学研究グループの金子政志研究員は、「ジアミド型配位子によるAm/Cm分離メカニズムに関する計算化学研究」で、平成31年3月22日に第14回日本原子力学会 再処理・リサイクル部会 部会賞 優秀講演賞を受賞しました。

JAEAでは、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減に向けて、長寿命核種であるマイナーアクチノイド(MA)の分離技術の開発を行っています。受賞対象となった研究は、互いに化学的性質が類似する2種のMA、AmとCmの分離メカニズムを、金属イオンと分離剤との化学結合に立脚して密度汎関数法により説明したものです。これまでAmとCmの化学結合の明確な違いについては、理解されていませんでしたが、金属イオン中の電子(特に5f電子)の共有結合への寄与の違いとAm/Cm分離メカニズムを関連付けた点が評価され、今回の受賞に至りました。本研究は、MA分離に向けた分離剤の作用機序解明や新たな分離剤の開発に活用されることが期待されます。

平成30年度日本原子力学会 核燃料部会 部会賞 学会講演賞を受賞

2019.04.03


髙木聖也

燃料・材料工学ディビジョン燃料高温科学研究グループの髙木聖也研究員は、日本原子力学会2018年秋の大会での口頭発表「安全性・経済性向上を目指したMA核変換用窒化物燃料サイクルに関する研究開発;(4) 燃料模擬物質の粉砕条件と焼結密度の相関」に対し、平成31年3月22日に、日本原子力学会平成30年度核燃料部会 部会賞 学会講演賞を受賞しました。

受賞者は、MA(マイナーアクチノイド)核変換用窒化物燃料の製造技術開発において、燃料ペレット焼結時の組織緻密化を目的とし、燃料模擬物質(希土類とジルコニウムの窒化物固溶体)への遊星ボールミルを用いた種々の粉砕条件と焼結密度の相関データを取得・整理しました。粉砕容器・ボールの材質と粉砕時間に対して粉末の比表面積や粒度分布を分析した上で、焼結体密度と結晶粒径の関係を明らかにした結果、低比重の窒化ケイ素製粉砕容器とボールを用いることで、高密度かつ大粒径の組織が得られることを見出しました。この成果は、今後実際のMA試料を用いた燃料ペレット作製試験に活用されます。

平成30年度軽金属論文新人賞を受賞

2018.11.22


大谷恭平

防食材料技術開発グループの大谷恭平研究員が、「グルコン酸や亜鉛イオンを含む模擬海水におけるA3003アルミニウム合金の腐食による形態変化とその機構」で、平成30年11月9日に平成30年度軽金属論文新人賞を受賞しました。

受賞対象の論文は、通常では防食性能の低いインヒビターであるグルコン酸に亜鉛イオンを添加することでアルミニウム合金に対する防食性能が飛躍的に向上する事を明らかにしました。本論文は、新たなインヒビターの開発等のアルミニウムの防食分野に貢献するものです。

2017年度機械工学科優秀教育推進賞を受賞

2018.11.21


大場恭子

原子力基礎工学センターの大場恭子技術副主幹は、非常勤講師を務めている芝浦工業大学工学部機械工学科にて担当している科目「技術者倫理」の講義に対して、学生並びに学科の教員から高く評価されたとして「2017年度機械工学科優秀教育推進賞」を受賞しました。

科目「技術者倫理」は、学生が社会に出た時に培った専門能力を適切に発揮できる倫理能力を身につけること、及び今後も学生が自主的かつ積極的に技術者倫理能力を磨くことに取り組んでいくことを目的にしている講義です。今回の受賞は、授業内容・授業方法に関して、受賞者が格別の工夫をしたことが学生並びに学科の教員から高く評価されたことによるものです。受賞者は、講義が学生にとってよい出発点となるように、単に技術者倫理を学ぶという「今」だけではなく、「今後」、自身が倫理の能力を備える必要性を実感するように、一方通行となってしまうレクチャーに加えて、グループディスカッション等、参加型、体験型を取り入れるようにしました。また、技術者倫理教育でよく取り上げられる失敗事例だけではなく、成功事例、良好事例も取り入れると同時に、一定の専門性を含めるようにしたことが評価されました。

第12回日本原子力学会 炉物理部会 部会賞 奨励賞を受賞

2018.09.19


方野量太

原子力基礎工学研究センター分離変換技術開発ディビジョン核変換システム開発グループの方野量太研究員は、「Reduced Order Modeling(ROM) に基づいた効率的な感度係数評価手法の開発」に対して、平成30年9月5日に、第12回日本原子力学会 炉物理部会 部会賞 奨励賞を受賞しました。

炉心解析は、温度フィードバックや燃焼を伴う複雑な現象を、数値シミュレーションを通じて予測し、原子炉の安全上・運転上重要な核特性を評価します。受賞者は、Reduced Order Modeling (ROM)という低次元化手法を用い、核特性の核反応断面積起因の不確かさ評価に用いられる感度係数を効率的に評価する手法を開発しました。開発手法は、核特性に対して「効く」核反応断面積の組み合わせを数学的に導出し、実効的な断面積数(次元数)を減らすことで、全体の計算コストを大幅に削減するものです。従来では評価が困難であった感度係数を実用的に評価することが可能であり、原子炉の安全性向上に資するものと期待されます。

平成29年度日本保健物理学会論文賞を受賞

2018.08.23


佐藤薫、髙橋史明

放射線挙動解析研究グループの佐藤薫研究副主幹、高橋史明研究主席が、日本保健物理学会誌に投稿した論文「体格の異なる成人日本人ボクセルファントムの構築と外部光子照射に対する臓器線量評価への適用」(保健物理、Vol 52, 247-258、2017)により、平成30年6月29日に平成29年度日本保健物理学会論文賞を受賞しました。

放射線防護を目的とした被ばく線量評価においては、国際放射線防護委員会(ICRP)が開発した成人標準ファントムを用いて計算した臓器の受ける線量(臓器線量)の標準データが利用されています。これらのファントムは、欧米人の平均的な体格特性に基づき構築されていますが、臓器線量は体格の影響により変化します。成人では欧米人よりも日本人は総じて小柄で、個々人の体格には変動幅があります。

そこで、本研究においては、成人日本人の身長、体格指数(BMI)等の統計データに基づき、体格の異なるファントムを定義する手法を開発しました。この手法により構築した数体のファントムを放射線輸送計算コードPHITSへ組み込んで、光子(γ線、X線)による外部被ばくに対する臓器線量を計算しました。この計算により、成人日本人の体格特性が臓器線量に及ぼす影響を定量的かつ系統的に明らかにすることができました。

第22回RADIOISOTOPES誌論文奨励賞を受賞

2018.07.31


金子政志

放射化学研究グループの金子政志研究員らが、日本アイソトープ協会英文誌に投稿した論文「Bonding Study on Trivalent Europium Complexes by Combining Mössbauer Isomer Shifts with Density Functional Calculations」(Radioisotopes, Vol.66, 289-300, 2017)が、平成30年7月5日に第22回RADIOISOTOPES誌論文奨励賞を受賞しました。

JAEAでは、高レベル放射性廃棄物の分離変換技術の開発に向けて、マイナーアクチノイド(MA)等の長寿命核種の分離技術の開発を行っています。受賞対象となった研究は、高レベル放射性廃棄物中に含まれるMAと希土類元素の分離性能を予測するための計算手法開発の一環として、希土類元素化合物の化学結合特性を密度汎関数計算によって明らかにしたものです。化合物中の化学結合は、その原子やイオン間の相互作用の性質により2種類に大別されます。1つは、プラスとマイナスの電荷が引き合って形成されるイオン結合で、もう1つは、電子軌道間の相互作用によって形成される共有結合です。これまで、希土類元素化合物に共有結合性があるかどうかは、よく理解されていませんでした。そこで、密度汎関数法によって得られる電子密度計算値と、共有結合の大きさを定量的に表す既報のメスバウアー分光パラメ―タ実験値を組み合わせて、希土類元素化合物の化学結合解析を行った結果、希土類元素のd軌道及びf軌道と呼ばれる電子軌道が、化合物中の共有結合に関与していることを明らかにしました。将来、この手法を用いてMA及び希土類元素の化合物の化学結合解析を行うことで、化学結合に基づいたMAと希土類元素の分離性能予測や分離試薬設計が可能になることが期待されます。

平成29年度第50回日本原子力学会賞特賞・技術賞を受賞

2018.05.01


多田健一、国枝賢

炉物理標準コード研究グループ多田健一研究員と核データ研究グループの国枝賢研究副主幹が、「純国産次世代核データ処理システムFRENDYの開発」により日本原子力学会賞 特賞・技術賞を受賞しました。

原子力研究開発機構では、評価済み核データライブラリJENDLや、MVP、PHITSなどの粒子輸送計算コードを整備しており、国内の大学やメーカーにおいて広く利用されています。それらの粒子輸送計算コードの実行においては、粒子輸送計算コードが読み込むことができる断面積ライブラリを評価済み核データから作成する「核データ処理」というプロセスが必要となります。我が国では長年このプロセスを外国産の核データ処理システムに頼ってきました。しかしながら、外国産の核データ処理システムにのみ頼ることで、JENDLを適切に処理できないことが多いことに加え、益々強化される輸出規制により、その利用において制限がかかることも強く懸念されてきました。こうした背景から、国産核データ処理システムを整備することは、核データ評価から核計算コード開発及び利用に至る一連の技術を我が国として自立的に行う上での最重要課題の一つと認識されています。

多田研究員と国枝研究副主幹はこれらの問題を解決することを目指したと同時に、核データ処理システムの将来にわたる保守性や評価済み核データの更新や核計算コードの高精度化に伴う拡張性を担保するために完全に国産化された核データ処理システムFRENDYを開発しました。今回開発したFRENDYにより、PHITSやMCNPなどの連続エネルギーモンテカルロ計算コード用の断面積ライブラリの作成が可能となりました。今後は近年の原子炉解析コードの多くが採用する多群輸送計算で必要となる多群エネルギー形式の断面積ライブラリや、評価済み核データの不確かさを表現する共分散データの処理機能も実装し、より汎用性を高める計画となっています。

受賞者らはFRENDYの開発過程で従来使用されてきた外国産の核データ処理システムの問題点を数多く発見・解決し、それらの問題点が輸送計算に影響を与えていたことを示しました。これらの成果によって、FRENDYは我が国だけでは無く、広く海外においても使用されることが期待されています。

第13回日本原子力学会 再処理・リサイクル部会 部会賞 業績賞を受賞

2018.04.26


松村達郎、辻本和文

原子力基礎工学研究センター分離変換技術開発ディビジョンの辻本和文ディビジョン長、群分離技術開発グループの松村達郎グループリーダー、MA燃料サイクル技術開発グループの佐藤匠研究副主幹が、「テキスト「核燃料サイクル」の出版」によって、平成30年3月28日に、第13回日本原子力学会 再処理・リサイクル部会 部会賞 功績賞を受賞しました。

受賞者は、テキスト「核燃料サイクル」の編集委員会及び執筆者の一員として、「第8章 分離変換」の「分離変換の意義」及び「ADS燃料サイクル」を執筆しました。このテキストは、“核燃料サイクル”の科学的、客観的な情報を、学会から社会に向けて発信するため、原子力学会 再処理・リサイクル部会内のワーキンググループを中心に執筆を進め、ウェブ上にて公開されています。

第50回日本原子力学会賞論文賞を受賞

2018.04.23


岩本信之、岩本修

核データ研究グループの岩本信之研究主幹と岩本修グループリーダーは、日本原子力学会英文論文誌に掲載された論文「Correction of the thermal neutron capture cross section of 241Am obtained by the Westcott convection, Journal of Nuclear Science and Technology, Vol.54, No.1, pp.74-80 (2017).」により、平成30年3月27日に、第50回日本原子力学会賞論文賞を受賞しました。

241Amの中性子捕獲断面積の精度向上は、マイナーアクチニドの核変換システム設計において重要な課題の一つとなっています。しかしながら、これまでに報告された241Amの熱捕獲断面積の測定値には不整合が存在し、問題となっていました。特に熱捕獲断面積を導出する手法の一つであるCd箔を用いた放射化実験では、他の手法と比較して断面積を過大評価する傾向がありました。本研究では、放射化実験による断面積導出で利用されてきたWestcott記法において、これまで考慮されなかったCd切断エネルギーより低いエネルギーに存在する共鳴の影響を定量化し、断面積導出にその影響を補正する手法を開発しました。この手法を既存の測定値へ適用することで、問題となっていた断面積の不整合を改善させることに成功しました。この成果を用いることにより、241Amのみならず、低エネルギー領域に共鳴のある他の核種に対する熱捕獲断面積の精度向上も期待されます。

第50回日本原子力学会賞技術賞を受賞

2018.04.23


古田琢哉、佐藤大樹、高橋史明

放射線挙動解析研究グループの佐藤大樹研究副主幹、古田琢哉研究副主幹、高橋史明研究主席が、「環境に分布する放射性セシウムによる公衆の外部被ばく線量推定手法の開発」の研究開発成果により、平成30年3月27日に第50回日本原子力学会賞技術賞を受賞しました。

受賞者らは、原子力機構が開発している放射線輸送計算コードPHITSを活用して大気と放射性セシウムが沈着した土壌で構成した半無限の環境中を伝播する光子の放射線場を高効率に計算する技術を確立し、放射性セシウムの放射能濃度から公衆を代表する各年齢の実効線量を推定できる換算係数を整備しました。また、被ばくの指標として定義されている実効線量と、モニタリングに利用される周辺線量当量及び個人線量当量との相関関係を解析し、モニタリング値に基づく公衆の被ばく線量推定の合理性を証明しました。さらに、建物の特徴に応じた屋内での線量低減を明らかにし、対象者の生活様式を反映した線量予測を可能にしました。これらの成果は、福島第一原子力発電所事故後の住民帰還に向けた中長期的な対策の検討に活用されています。

JNST Most Cited Article Award 2017を受賞

2018.04.23


古高和禎、岩本信之、岩本修
市原晃、柴田恵一、国枝賢

核データ研究グループの柴田恵一嘱託等が日本原子力学会英文論文誌(JNST)に投稿した論文「JENDL-4.0: A New Library for Nuclear Science and Engineering」(J. Nucl. Sci. Technol.,Vol.48, 1-30 (2011)が、出版後5年間で多数の引用がなされたことから、JNST Most Cited Article Award 2017を受賞しました。

この論文は平成23年度日本原子力学会賞 技術賞特賞を受賞した日本の評価済み核データライブラリJENDL-4.0の開発及びデータの特徴をまとめたものです。最新の実験データ及び信頼できる理論的知見を用いて、データ精度の向上に努めました。中性子入射核反応データに加えて、核分裂収率等のデータも完備しています。これらのデータはインターネットを介して世界中のユーザーに提供されています。データは下記のURLからダウンロード可能です。 http://wwwndc.jaea.go.jp/jendl/j40/J40_J.html

日本原子力学会英文論文誌(JNST)最多引用数論文賞

2018.04.23


寺田宏明、中山浩成、永井晴康

原子力基礎工学研究センターの茅野政道前センター長及び環境動態研究グループの共著者らが、日本原子力学会英文誌に投稿した論文「Preliminary Estimation of Release Amounts of 131I and 137Cs Accidentally Discharged from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant into the Atmosphere」(J. Nucl. Sci. Technol., Vol.48, 1129-1134, 2011)が、平成30年3月27日にJNST2017年度最多引用数論文賞を受賞しました。

2011年3月に発生した福島第一原子力発電所事故では、事故当初、放射性物質の大気放出量の不明な状態が継続し、事故規模の把握や公衆の被ばく線量評価のために放出量の推移を評価することが喫緊の課題でした。そこで本研究では、単位放出率を仮定した大気拡散シミュレーション結果と環境モニタリングデータの比較に基づく逆推定手法により、放射性ヨウ素(131I)と放射性セシウム(137Cs)の放出量推移を評価しました。大気拡散シミュレーションには、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)や世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いました。環境モニタリングデータには、文部科学省、日本分析センター、日本原子力研究開発機構が測定したデータを用いました。放出量推定は3月12日から4月5日まで行い、放射性物質の大気放出量の推移を世界に先駆けて明らかにしました。この放出量推移データが、放射性物質の大気放出と拡散プロセスの再構築のための基礎データとなり、関連研究分野において国内外から多数引用されることとなりました。

日本原子力学会英文論文誌(JNST)2017年度最多引用数論文賞受賞

2018.04.23


川村英之

環境動態研究グループの川村英之研究主幹らが、日本原子力学会英文論文誌(JNST)に投稿した論文「Preliminary Numerical Experiments on Oceanic Dispersion of 131I and 137Cs Discharged into the Ocean because of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Disaster」(J. Nucl. Sci. Technol., Vol. 48, 1349–1356(2011))が、平成30年3月27日にJNST2017年度最多引用数論文賞を受賞しました。

本研究では、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性核種の海洋環境への影響を把握するため、放射性核種の海洋への直接放出量を推定し、海洋拡散シミュレーションを実行しました。海洋への直接放出量は、測定された海水中放射性核種濃度から推定しました。この推定結果と大気拡散シミュレーションにより計算された海表面沈着量を放射性核種の放出源として海洋拡散シミュレーションを行いました。計算結果を福島県沿岸で測定された海水中放射性核種濃度と比較した結果、測定値を比較的良好に再現していることを確認しました。海洋へ直接放出された放射性核種は、主に沿岸を南向きに拡散した後、黒潮により東向きに拡散したことが示唆されました。

日本原子力学会英文論文誌(JNST)2017年度最多ダウンロード数論文賞受賞

2018.04.23


小嵐淳

環境動態研究グループの小嵐淳研究主幹らが日本原子力学会英文誌に投稿した論文「Atmospheric discharge of 14C from the Tokai reprocessing plant: comprehensive chronology and environmental impact assessment」(J. Nucl. Sci. Technol., Vol. 53, 546-553 (2016))が、平成30年3月27日にJNST2017年度最多ダウンロード数論文賞を受賞しました。

本研究では、東海再処理施設における14C大気放出量と燃料処理量との関連性を導出し、施設運転全期間(1977-2014年)の14C大気放出年代記をはじめて確立しました。さらに、施設周辺の木の年輪の14C濃度を分析することで、大気放出年代記に基づいたモデル計算結果を検証し、過去にさかのぼって東海再処理施設からの14C大気放出による放射生態学的影響は極めて小さいことを実証することに成功しました。

第28回日本原子力学会 熱流動部会 部会賞 奨励賞を受賞

2018.04.23


上澤伸一郎

原子力基礎工学センター軽水炉基盤技術開発ディビジョン熱流動技術開発グループの上澤伸一郎研究員は、「福島第一原子力発電所事故評価のための海水の熱伝達挙動に関する研究」に対して、平成30年3月27日に、第28回日本原子力学会 熱流動部会 部会賞 奨励賞を受賞しました。

受賞者は、福島第一原子力発電所事故の進展を解析するために必要な海水が熱伝達に与える影響を把握するため、海水が沸騰する条件を含めた試験を実施し、その成果をまとめた。得られた詳細なデータを含む知見は、福島第一原子力発電所事故の解析のみではなく、今後の軽水炉安全の向上に向けた検討や、事故対応策等への活用も期待できる。また、析出した海水成分が沸騰や除熱性能の与える影響を明らかにするなど学術面でも新たな知見を得ており、本受賞はこれらの成果が高く評価されたものである。

第27回日本MRS年次大会奨励賞を受賞

2018.04.23


都留智仁

照射材料工学研究グループの都留智仁研究副主幹は、「First-principles and experimental study on interfacial fracture in Mg alloys」の成果により、平成29年12月7日に、第27回日本MRS年次大会奨励賞を受賞しました。

受賞者は、構造材料の重要な性質である「割れにくさ」に注目し、計算機シミュレーションを用いて、どのような合金元素が機能向上をもたらすかを評価する方法を提案しました。原子力機構の大型計算機ICE Xを用いて、電子状態計算に基づく計算機シミュレーションによって材料の割れにくさを向上させる合金元素を探索する手法を開発し、軽いが割れやすいという欠点を持つマグネシウムの「割れにくさ」を向上する合金元素の発見に、この手法を応用しました。その結果、実験結果と良い相関性を示し、これまでの研究から延性(のび)を向上させることが判っていたジルコニウムなどの合金元素が、割れにくさを向上させることを明らかにしました。

国際放射線防護委員会への貢献を記した感謝楯を受贈

2017.12.15


遠藤章

原子力基礎工学研究センターの遠藤章副センター長は、ICRP(国際放射線防護委員会)より、放射線防護の勧告に関するICRP刊行物「ICRP Publication 133: The ICRP Computational Framework for Internal Dose Assessment for Reference Adults: Specific Absorbed Fractions」(ICRP133)の作成への貢献を記した感謝楯を受贈しました。

ICRPは、1928年の創立以来、放射線から人や環境を守るために、国際的に利用されている放射線防護の基本的考え方や基準を勧告してきました。ICRP133は、放射性核種を体内に取り込んだ内部被ばくに対して、被ばく線量を評価するための標準となる最新の計算手法とデータを定めたものです。これらは、放射性核種に対する線量係数や基準値を評価するために用いられるもので、ICRPの勧告に基づき放射線防護を実践するために不可欠なものです。

受賞者は、原子力基礎工学研究センターで開発を進めている、あらゆる物質中での放射線のふるまいを再現できるシミュレーションコードPHITSや、日本の標準データとして利用されている核データライブラリJENDL-4を利用して、ICRP133の作成に貢献しました。

受賞者は、2002年からICRPの活動に参加し、これまでに3編のICRP Publicationの作成に携わりました。その成果は、ICRPが提供する線量評価用の国際標準データの開発に利用されるとともに、放射線防護に関する米国連邦指針や欧州理事会指令をはじめ、放射線の利用と規制の両方において、世界中で広く利用されています。今般完成したICRP133も、今後幅広い用途で活用されます。

RSC Tokyo International Conference 2017ポスター賞を受賞

2017.10.16


浅井志保

分析化学研究グループの浅井志保研究主幹は、英国王立化学会とJAIMA(日本分析機器工業会)が共催する国際会議RSC Tokyo International Conference 2017にて、「Direct measurement of Pd-107 in Pd metal recovered from spent nuclear fuel with laser ablation ICP-MS」の発表に対し、ポスター賞(RSC Best Presentation Award)を受賞しました。

受賞者は、測定が難しいため、これまで実測報告例がなかった放射性核種であるPd-107の新しい分析法を開発しました。この方法は、レーザー照射によって非接触で誘起される光還元反応を利用して、パラジウムを選択的に沈殿分離できることが特長です。そのため、使用済燃料のような高放射性試料に最適な手法となっています。また、この方法によって得られたパラジウム沈殿をレーザーアブレーションにより微細な粒子状にして質量分析計へ導入することで、前処理操作なしで正確に分析することができます。実際にこの方法により使用済燃料の溶解液から純度の高いパラジウムを高回収率で得ることができ、実証にも成功しました。これまでにない分離・分析法を提案・実証したことから、その分析化学的価値が認められ、今回の受賞となりました。開発した分析法は、我が国が保有する高レベル放射性廃棄物など、さまざまな試料への適用が期待されます。

2016年度日本混相流学会「学会賞」技術賞を受賞

2017.09.29


吉田啓之

原子力基礎工学センターの吉田啓之熱流動技術開発グループリーダーは、詳細二相流解析コードTPFITの開発に対して、平成29年8月20日に、2016年度日本混相流学会「学会賞」技術賞を受賞しました。

受賞者は、気相と液相が混ざった流れである気液二相流を詳細に解析するための手法である界面追跡法に対して、その実用的な利用に対する課題であった、気液界面における数値拡散を低減できる手法を構築するとともに、詳細二相流解析コードTPFITを開発した。本計算技術は、原子炉燃料の熱設計において重要な流体混合現象の機構論的な分析などに活用された。気液二相流は、発電システムなど、様々な機器、システムにおいて現れるものであり、開発したTPFITコードは、その気液界面を含む現象の評価に活用されることが期待される。

2016年度日本機械学会産業・化学機械と安全部門(論文表彰)を受賞

2017.06.01


大場恭子

原子力基礎工学センターの大場恭子技術副主幹は,2016年度日本機械学会年次大会における「BCP(事業継続計画)とレジリエンスエンジニアリング-東日本大震災時の事例分析に基づく防災・減災の向上方策の検討-」の講演論文により、平成29年5月17日に、2016年度日本機械学会産業・化学機械と安全部門(論文表彰)を受賞しました。

受賞者は、事前の備えをはるかに越える地震および津波によって多くの被害をもたらした東日本大震災以後、更に重要性が増している「事業継続計画(BCP)」に必要な要素を、東日本大震災において、減災あるいは被災した地域の回復を早めることに役立った医療、土木(道路)、原子力の対応事例を、レジリエンスエンジニアリングの考え方を参照しながら分析することによって抽出した。抽出され要素は、複数の分野に共通している要素であることから、さまざまな社会・技術システムの防災あるいは減災に役立つ教訓といえる。

平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を受賞

2017.04.20


都留智仁

照射材料工学研究グループの都留智仁研究副主幹は、「格子欠陥ダイナミクスに基づく構造材料の計算科学研究」の成果により、平成29年4月19日に、平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。

受賞者は、金属材料の機械的性質は材料内部のきれいに並んだ格子状の配置からのずれ(転位や空孔などの「欠陥」)の構造によって決まることに着目して、多様な欠陥構造を原子レベルで再現する手法を開発しました。原子力機構のスーパーコンピュータを用いた数億個の原子シミュレーションにより材料内部の複雑な欠陥挙動を追跡するとともに、それらが材料の強度など機械特性に及ぼす影響を明らかにしました。また、希少元素を用いない合金のための設計図作り(元素戦略)として、欠陥周辺の歪み(弾性場)及び電子構造に基づく計算機シミュレーションを用いた手法を提案しました。

第49回日本原子力学論文賞を受賞

2017.04.10


横山賢治

炉物理標準コード研究グループ横山賢治研究副主幹と名古屋大学大学院 工学研究科 山本章夫教授は、日本原子力学会欧文誌に掲載された論文「Cross-section adjustment methods based on minimum variance unbiased estimation, Journal of Nuclear Science and Technology, Vol.53, No.10, pp.1622-1638 (2016).」によって、平成29年3月28日に、第49回日本原子力学会論文賞を受賞しました。

原子炉の安全性や経済性を向上させるためには、核設計解析における中性子と原子核の反応確率データ(核データ)に起因する不確かさを定量化し、計算による予測精度を向上させることが必要です。その方策の一つとして以前から、炉定数調整法と呼ばれる手法が活用されてきていました。本研究は、従来用いられていた最尤推定ではなく、最小分散不偏推定に基づく、炉定数調整法に関する新たな理論式の導出を提案し、これまで炉定数調整法とは異なる理論と考えられていた拡張バイアス因子法と炉定数調整法の理論式を統一できることを初めて示したものです。この成果は、様々な条件下での炉定数調整法の基礎理論になり得るもので、炉定数調整法の適用範囲が非常に大きく広がる可能性を示しています。

第49回日本原子力学会賞技術賞・特賞を受賞

2017.04.05


大図章、呉田昌俊、中島伸一、米田政夫、中塚嘉明

原子力センシング研究グループの大図章研究主幹、米田政夫研究員、研究推進室の呉田昌俊室長代理、人形峠環境技術センターの施設管理課の中塚嘉明主査、計画管理室の中島伸一室長が、「実廃棄物ドラム缶中のウラン量を高精度で計量可能とする革新的非破壊測定技術」の研究開発成果により、平成29年3月28日に第49回日本原子力学会・技術賞(特賞)を受賞しました。

受賞者らは、高速中性子直接問いかけ法を用いた核物質非破壊測定法における革新的なデータ較正法を考案し、測定対象物の内容物によらない高精度な核物質量測定技術を確立しました。また、その技術をもとに廃棄物ドラム缶用ウラン量非破壊測定装置 (JAWAS-N:JAEA Active Waste Assay System – Ningyo-toge)を開発して日本原子力研究開発機構・人形峠環境技術センター内に設置し、廃棄物を模擬した多種多様な試験体による検証試験により、その装置の有効性を実証しました。この成果により、JAWAS-N は国際原子力機関IAEA から計量管理用装置としての性能を評価され、運用が開始されました。現在JAWAS-Nは、人形峠環境技術センターの金属解体物、ウラン吸着材などの多種多様な内容物の実廃棄物ドラム缶中のウラン量計量に利用されています。

日本原子力学会英文論文誌(JNST)2016年度最多ダウンロード数論文賞受賞

2017.04.03


小林卓也

環境動態研究グループの小林卓也グループリーダーが、日本原子力学会英文誌に投稿した論文「Development of ocean dispersion concentration maps of the contaminated water released from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant」(J. Nucl. Sci. Technol., Vol.52, 769-772 (2015))が、平成29年3月28日にJNST2016年度最多ダウンロード数論文賞を受賞しました。

本研究では、東京電力福島第一原子力発電所施設内に滞留・貯留している汚染水が海洋へ漏洩する可能性に備え、施設から海洋へ漏洩する汚染水の拡散の概略を把握するため、仮想的な放出に対する汚染濃度マップを作成しました。福島第一原子力発電所沖合の北西太平洋海域では、親潮を含む亜寒帯循環と黒潮と黒潮続流を含む亜熱帯循環の位置が季節により変化するため、沿岸で汚染水が離岸する位置に季節差が発生します。そこで、単位放出率の仮想放出シミュレーションを季節ごとに実行し、アンサンブル平均を求めて海洋拡散濃度マップを作成しました。マップの検証として、2 つの異なる季節における実際の放出事象に適用したところ、本手法は極めてシンプルな推定方法にもかかわらず、実測値を比較的良好に再現することを確認しました。

第49回日本原子力学会賞学術業績賞を受賞

2017.04.03


小嵐 淳

環境動態研究グループの小嵐淳研究主幹が、「放射性炭素の原子力施設からの放出と環境中での移行に関する総合的研究」により、平成29年3月28日に第49回日本原子力学会賞学術業績賞を受賞しました。

放射性炭素(14C)は、核燃料サイクルに起因する公衆の被ばく線量評価において最も重量な核種のひとつです。受賞者は、14Cの原子力施設からの大気放出とその後の環境中挙動を解明するために様々な研究手法を考案・開発しました。それらを用いて国内初の再処理施設である東海再処理施設において実測データを取得し、施設起源の14Cの環境中における移行実態と38年に及ぶ施設運転に伴う放射生態学的影響を明らかにしました。また、実測データを利用したモデル検証法を開発し、IAEA主催のEMRASプロジェクトにおいて14C環境中移行モデルの比較・検証研究を世界で初めて実現し、モデル化手法の集約とモデル予測能力の評価を行いました。さらに、核実験起源14Cの環境中での動きを追跡するという新しい研究手法により、原子力施設から放出された14Cの陸域生態系における中長期的な移行・蓄積挙動を解明することに成功しました。14Cの放出から環境中移行までを短期的・長期的両視点に立って総合的に解明した研究は世界的にも例がなく、原子力施設に対する環境影響評価の信頼性や社会的受容性の向上に資する成果であるとして、原子力分野における学術的貢献が認められ今回の受賞となりました。

2016年日本放射化学会賞・奨励賞を受賞

2016.09.29


金子政志

放射化学研究グループの金子政志博士研究員が、「メスバウアー分光パラメータと密度汎関数法を用いたd, fブロック錯体の結合状態研究」で、平成28年9月11日に2016年日本放射化学会賞・奨励賞を受賞しました。

受賞対象となった研究は、分離変換技術において重要であるマイナーアクチノイド(MA) やランタノイド(Ln)において、それらを含む金属錯体中の結合状態を精確に評価するために実験データを利用して化学結合状態を計算する方法を最適化し、それを用いて化学結合特性を評価したものです。分離変換技術では、MAおよびLnと分離試薬との間の化学結合を精度よく理論計算し、結合状態の違いを明らかにすることで分離能力の高い新たな試薬開発につなげることができます。金属錯体中の化学結合を表す電子状態を理論的に予測する優れた方法として密度汎関数法がありますが、MA, Lnのようなfブロック元素に対しては、結合の評価手法が確立されていませんでした。そこで、結合状態を敏感に反映するメスバウアー分光パラメータを実験データとして用いて密度汎関数を最適化し、MA, Ln錯体の化学結合特性を精度よく評価できることを見出しました。この方法をMA/Ln分離挙動に適用したところ、MAとLnの分離試薬との間の共有結合性の違いが、MA/Ln分離挙動の一因になっていることを明らかにしました。

平成28年度腐食防食学会岡本剛記念講演賞を受賞

2016.07.15


山本正弘

山本正弘副センター長が、腐食防食の分野への顕著な功績により、平成28年5月26日に平成28年度腐食防食学会岡本剛記念講演賞を受賞し、「材料と環境2016」にて「複雑な実環境をシミュレートしたデータ取得にもとづく腐食要因の解明ー海洋環境と原子力施設を例としてー」と題する記念講演を行いました。

受賞対象となった功績は、海洋構造物の海水による腐食機構解明とその防止対策の研究、軽水炉用構造材料の高温高圧水中での腐食機構に関する研究、核燃料再処理施設用材料の硝酸環境中腐食機構に関する研究などの成果です。腐食防食の分野における学術の進歩発展に顕著への功績から、腐食防食学会員の知識と興味を高める権威ある講演を行う講師に選出されました。

平成28年度腐食防食学会論文賞を受賞

2016.07.15


山本正弘、本岡隆文、小松篤史、
上野文義、牧野政((株)アセンド)

防食材料技術開発グループの小松篤史研究員、廃炉国際共同研究センター保管機器健全性評価グループの本岡隆文サブリーダー(防食材料技術開発グループ兼務)、燃料・材料工学ディビジョンの上野文義研究主席、原子力基礎工学研究センターの山本正弘副センター長が、「沸騰硝酸中における310ステンレス鋼の粒界腐食に及ぼすリンの局所偏析の影響」(材料と環境, Vol.63, No.3, pp98-103 (2014))で、平成28年5月26日に平成28年度腐食防食学会論文賞を受賞しました。

受賞対象の論文は、沸騰硝酸溶液中においてステンレス鋼の結晶粒界が腐食される現象について、粒界に分布する微量のリンの影響を明らかにしたものです。従来は粒界の微量のリンを検出が極めて困難でしたが、本論文では、電位と電気量を制御して粒界をごくわずかに腐食させる技術と、ミクロな試料加工と原子レベルでの元素分析の技術を用いて、腐食が進む粒界にはリンが濃縮していることを明らかにしました。

平成28年度腐食防食学会技術賞を受賞

2016.07.15


加藤千明

防食材料技術開発グループの加藤千明研究主幹が、「高温水中における応力腐食割れ発生試験方法の規格化ならびに規格改正」の成果に対して、平成28年5月26日に平成28年度腐食防食学会技術賞を受賞しました。

本受賞は、腐食防食学会の委員会の委員として、軽水炉内の環境を模擬した高温水中で応力腐食割れの発生を調べるための試験方法に関する腐食防食学会規格の策定に貢献したことに対して授与されました。高温高純水環境での単軸引張荷重負荷試験については、これまで各試験機関で統一された試験方法がありませんでしたが、様々な種類の試験装置を包括するとともに、試験環境、試験手順などの試験方法をまとめて、腐食防食学会規格(JSCE S1501 :2015「高温高純度水環境における単軸引張定荷重負荷(UCL)を用いた金属及び合金の応力腐食割れ試験方法」)として規定しました。さらに、腐食防食学会が原案を提案した逆U曲げ試験方法のJIS規格(JIS G0511「金属及び合金の逆U曲げ試験片を用いた応力腐食割れ試験方法」)も併せて改正しました。高温高圧水中での応力腐食割れの発生の試験方法の技術的な指針として、活用されることが期待されます。

平成28年度腐食防食学会進歩賞を受賞

2016.07.15


小松篤史

防食材料技術開発グループの小松篤史研究員が、「電気化学的手法を用いた原子力材料の腐食機構に関する研究」で、平成28年5月26日に平成28年度腐食防食学会進歩賞を受賞しました。

本受賞は、腐食の電気化学に関する知識を駆使して、沸騰純硝酸中でのチタンの腐食機構の解明や、ステンレス鋼の結晶粒界の腐食と粒界におけるリンの濃縮との関係の解明などの成果を上げたことに対して授与されました。特に、一般に優れた耐食性を有するチタンが沸騰純硝酸中では腐食を生じる原因について研究し、チタンの酸化皮膜の酸化還元反応が硝酸の還元反応に関与することを見出し、これが主な機構であることを明らかにしました。

平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰・科学技術賞を受賞

2016.05.18


木村敦、原田秀郎、藤暢輔

原田秀郎ディビジョン長、木村敦研究副主幹、藤暢輔研究主幹が、「中性子共鳴分光法の大幅な革新とその応用研究」の業績により、平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰・科学技術賞(研究部門)を平成28年4月20日に受賞しました。
業績概要:ここをクリック。

第48回日本原子力学会賞論文賞を受賞

2016.05.18


松永武、都築克紀、柳瀬信之

環境動態研究グループの松永武嘱託(International Science & Technology Center出向中)、都築克紀技術副主幹、環境化学研究グループの柳瀬信之嘱託が、「Increase in rare earth element concentrations controlled by dissolved organic matter in river water during rainfall events in a temperate, small forested catchment」(J. Nucl. Sci. Technol., Vol.52, 514-529 (2015))で、平成28年3月27日に第48回日本原子力学会賞論文賞を受賞しました。

受賞対象の論文は、超ウラン元素(TRU)と化学的に類似する希土類元素を活用することで、自然環境でのTRUの移行機構研究を実現したものです。一般に大気圏内核実験等に起因した地表面に存在するプルトニウム等のTRUは極めて低濃度であり移行研究に利用することが困難ですが、本論文ではその対処手法を提示しました。土壌水中の希土類元素の多くは溶存有機物と結びついていて、河川が増水すると、その一部は土壌から河川に水とともに移動する機構を、細かな時間ステップによる降雨時観測から導きました。これにより、土壌中に広く分布する自然有機物(腐植物質)がTRUの動態に深く関わっていることを示しました。

第48回日本原子力学会賞奨励賞を受賞

2016.05.18


安部晋一郎

放射線挙動解析研究グループの安部晋一郎 博士研究員は、「放射線により生じる電子機器の誤動作現象に関するシミュレーション技術の高度化」で、平成28年3月27日に第48回日本原子力学会賞奨励賞を受賞しました。

受賞対象の研究は、放射線照射により電子機器に生じる一時的な誤動作現象(ソフトエラー)の発生率(SER)を評価するための計算モデルを開発したものです。SER評価では放射線が電子機器内で引き起こす核反応過程と電荷収集過程を記述するモデルの高精度化と計算の高速化が重要となります。本研究では、粒子輸送計算コードPHITSによる核反応計算の高速化を可能とするため、強制衝突法を用いたエネルギー付与量の計算アルゴリズムを構築しました。また、電荷収集量の計算に関して、付与電荷の位置に対する電荷収集効率の依存性を考慮できる多重有感領域(MSV)モデルを開発し、これとPHITSを組み合わせることにより、ソフトエラー解析モデルPHITS+MSVを確立しました。

第48回日本原子力学会賞論文賞を受賞

2016.05.18


柴田恵一

核データ研究グループの柴田恵一特別嘱託は、「Evaluation of Neutron Nuclear Data on Iodine Isotopes」 (J. Nucl. Sci. Technol., Vol. 52, 1174-1185 (2015))により、平成28年3月27日に第48回日本原子力学会賞・論文賞を受賞しました。

日本原子力研究開発機構(JAEA)が2010年に公開した評価済み核データライブラリJENDL-4.0(406核種収納)では、諸事情により約50核種の核分裂生成物(FP)核種のデータに関して十分な吟味が行われていませんでした。そこで、受賞者は次期JENDLを見据えてFP核種を中心に精力的に核データ評価を行い、その結果を論文発表してきました。今回受賞対象の論文では、入射中性子エネルギー10^-5 eV - 20 MeVで新たに評価されたヨウ素-127, 128, 129, 130, 131, 135の中性子断面積の詳細が纏められています。共鳴領域以上の所謂高速中性子のエネルギー領域では、JAEAで開発した核反応モデルコードと最適化されたモデルパラメータを用いて核データを評価しました。その結果はヨウ素-127, 129の既存の測定値を良く再現しており、JENDL-4.0及び欧米の評価値を上回るものでした。精密な核反応モデルと最適化されたモデルパラメータを用いることにより、測定値の殆ど無いヨウ素-128, 130, 131, 135データの信頼性向上にも繋がりました。得られたデータは次期JENDLに収納され、原子力の研究開発を始めとする色々な分野での利用が期待されています。
eprint: http://www.tandfonline.com/eprint/KBrWnz3y63DzkvI5RGdU/full

日本原子力学会英文論文誌(JNST)2015年度最多引用論文賞を受賞

2016.05.18


岩本修

核データ研究グループの岩本修グループリーダ等がJNSTへ投稿した論文「JENDL Actinoid File 2008」(2009年46巻510-528ページ掲載)が、出版後約5年間で多数の引用がなされたことから、2015年度最多引用論文賞を受賞した。

この論文は、2008年に公開した評価済核データファイル“JENDLアクチノイドファイル2008”についての記述したものである。このファイルは、新しく開発した原子核反応モデルコードCCONEや最新の実験データに基づき、アクチノイド79核種に対する中性子反応核データを大幅に改訂したものであり、原子炉のシミュレーション精度向上に資することが期待される。このファイルの大部分は2010年に公開された最新の汎用ファイルJENDL-4.0へ採用されている。
データは次のURLからダウンロード可能である。
http://wwwndc.jaea.go.jp/ftpnd/jendl/jendl-ac-2008.html

第48回日本原子力学会賞技術開発賞を受賞

2016.05.18


小泉光生、Peter Schillebeeckx、原田秀郎

原子力基礎工学研究センター(NSEC)、欧州委員会共同研究センター標準物質・計測研究所(EC-JRC-IRMM)、核不拡散・核セキュリティー総合支援センター(ISCN)から成る国際共同研究プロジェクトチーム(中性子共鳴濃度分析法(NRD)合同開発チーム)は、「複雑な組成・形状の核燃料を計量管理する中性子共鳴濃度分析法の開発」により、平成28年3月27日に第48回日本原子力学会・技術開発賞を受賞しました。写真は、プロジェクトチームの各組織を代表して表彰盾を受け取った、原田秀郎ディビジョン長(NSEC)、P. Schillebeeckx博士(EC-JRC-IRMM)、小泉光生研究主幹(ISCN)。
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