物質や人体における放射線の挙動
物質や人体における放射線の挙動



放射線(粒子)は物質や人体中に入射した場合、原子や原子核等との相互作用により、 物質や人体にエネルギーを与えたり、飛行方向を変えたり、あるいは二次粒子を生成させることがあります。 これらの物理現象は確率的に生じることが知られており、計算機を用いたシミュレーション技術により模擬し、 物質や人体における放射線の挙動を解析することができます。
グループにおける研究の全体概要
グループにおける研究の全体概要
近年、原子力科学や放射線科学の研究分野の発展には、物質や人体内における放射線の挙動を計算機で解析するシミュレーション技術が必要不可欠となっております。 私たちのグループでは、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの開発やその信頼性を向上させる研究を進めております。
また、この計算コードを工学、理学及び医学の様々な分野の研究に応用しております。他、放射線による被ばく線量評価について、 新しい評価手法、システムやデータベースなどを開発しております。 さらに、不溶性微粒子による内部被ばくや放射線科学に関する基礎的な研究等も進めております。
グループの研究内容
最新トピックス
最新トピックス
プレス発表 (2016年以降)
開発した粒子・重イオン輸送計算コードPHITS [リンク先:PHITSのHP] や放射線挙動解析法を利用したいくつかの応用研究については、原子力機構のプレス発表でも紹介しております。

・太陽フレアによる被ばくの脅威から航空機搭乗者を「合理的」に護る―経済的損失リスクの定量化により最適な航空機運用指針の策定が可能に―(2021/09/03) [リンク先:機構のHPプレス]

・患者の個性を反映したα線核医学治療の線量評価が可能に 〜オーダーメードの治療計画で、より安全で効果的な治療法の確立を目指す〜(2021/01/14) [リンク先:機構のHPプレス]

・1945年の日本人体型を精緻に再現し原爆被爆者の臓器線量を再評価 −日米共同研究の成果により、更に精度の高い疫学調査が可能に−(2020/09/03) [リンク先:機構のHPプレス]

・大強度陽子ビームに晒される金属はどのくらい損傷するのか−高エネルギー陽子ビームを用いる加速器駆動システムの安全に貢献−(2020/07/01) [リンク先:機構のHPプレス]

・太陽放射線被ばく警報システム(WASAVIES)の開発に成功 〜ICAOグローバル宇宙天気センターの一員としてデータ提供開始〜(2019/11/07) [リンク先:機構のHPプレス]

・生命が居住可能な系外惑星へのスーパーフレアの影響を算出 ―ハビタブル惑星における宇宙線被ばくの定量化に成功―(2019/07/16) [リンク先:機構のHPプレス]

・シンチレーション検出器の光出力を決める仕組みを解明 −加速器、宇宙、医療現場などの陽子や重粒子線の正確な計測に向けて−(2018/08/30) [リンク先:機構のHPプレス]

・「宇宙線ミュオン」が電子機器の誤作動を引き起こす 〜超スマート社会の安全・安心を支えるソフトエラー評価技術の開発に向けて〜(2018/05/29) [リンク先:機構のHPプレス]

・DNA損傷の複雑さを決める極低エネルギー電子の新たな役割を解明−放射線照射により生体の遺伝子情報はどのように変質するのか−(2018/02/16) [リンク先:機構のHPプレス]

・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)によるがん細胞殺傷効果の理論的な予測に成功 −新しい薬剤の開発や治療計画の最適化に役立つ数理モデルを開発−(2018/02/02) [リンク先:機構のHPプレス]

・公衆の宇宙線被ばく線量を世界で初めて国や地域ごとに評価 〜世界平均値は国連科学委員会の評価値より16%低いことが判明〜(2016/09/29) [リンク先:機構のHPプレス]
受賞
JNST Most Cited Article Award 及び JNST Most Popular Article Awardを受賞 (2020/03/17)
佐藤達彦研究主席が筆頭著者として2013、2018年に発表した下記の論文が Journal of Nuclear Science and Technology (JNST) Most Cited Article Award(2013年発表)、 Journal of Nuclear Science and Technology (JNST) Most Popular Article Award(2018年発表)を受賞しました。 この賞は、2019年にJNST誌に掲載された論文の中で特にダウンロード数の多かった論文に与えられる賞です。

Tatsuhiko Sato, Yosuke Iwamoto, Shintaro Hashimoto, Tatsuhiko Ogawa, Takuya Furuta, Shin-ichiro Abe, Takeshi Kai, Pi-En Tsai, Norihiro Matsuda, Hiroshi Iwase, Nobuhiro Shigyo, Lembit Sihver and Koji Niita,
Features of Particle and Heavy Ion Transport code System (PHITS) version 3.02,
J. Nucl. Sci. Technol. 55(5-6), 684-690 (2018)
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T. Sato, K. Niita, N. Matsuda, S. Hashimoto, Y. Iwamoto, S. Noda, T. Ogawa, H. Iwase, H. Nakashima, T. Fukahori, K. Okumura, T. Kai, S. Chiba, T. Furuta and L. Sihver,
Particle and Heavy Ion Transport Code System PHITS, Version 2.52,
J. Nucl. Sci. Technol. 50:9, 913-923 (2013)
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JNST Most Popular Article Awardを受賞 (2019/03/21)
岩元洋介研究主幹が筆頭著者として2017年に発表した下記の論文がJournal of Nuclear Science and Technology (JNST) Most Popular Article Awardを受賞しました。 この賞は、2018年にJNST誌に掲載された論文の中で特にダウンロード数の多かった論文に与えられる賞です。

Yosuke Iwamoto, Tatsuhiko Sato, Shintaro Hashimoto, Tatsuhiko Ogawa, Takuya Furuta, Shin-ichiro Abe, Takeshi Kai, Norihiro Matsuda, Ryuji Hosoyamada and Koji Niita,
Benchmark study of the recent version of the PHITS code,
J. Nucl. Sci. Technol. 50:9, 913-923 (2013)
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平成29年度日本保健物理学会論文賞を受賞 (2018/06/29)
佐藤薫研究副主幹が筆頭著者として2017年に発表した下記の論文が平成29年度日本保健物理学会論文賞を受賞しました。

佐藤薫, 高橋史明,
体格の異なる成人日本人ボクセルファントムの構築と外部光子照射に対する臓器線量評価への適用,
保健物理 Vol.52, No.4, 247-258(2017)
[->保健物理のダウンロードサイトへ]

第50回日本原子力学会賞技術賞を受賞 (2018/03/27)
当グループの研究開発成果である「環境に分布する放射性セシウムによる公衆の外部被ばく線量推定手法の開発」により、第50回日本原子力学会賞技術賞を受賞しました。

土壌に沈着した放射性セシウムに対して個人線量計が測定する個人線量当量をシミュレーション解析 (2018/05/15)
東京電力福島第一原子力発電所事故後、公衆の被ばく線量を把握するため、個人線量計を用いた被ばく線量管理が行われています。 私たちは、土壌に沈着した放射性セシウム(Cs-134及びCs-137)から放出されるガンマ線による環境放射線場において、 各年齢群(新生児、1歳、5歳、10歳、15歳、成人)の胸部に装着された線量計によって測定される個人線量当量を計算シミュレーションで解析しました。 この解析により、 人の被ばく線量を表現する実効線量と個人線量当量の関係を評価できるデータを整備しました。 これにより、環境放射線場においても個人線量計を用いて被ばく線量(実効線量)を管理することの妥当性が示されました。
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放射線防護のために定義されている線量とその相互関係 (2018/05/15)
東京電力福島第一原子力発電所事故後の線量解析で使われている各種線量の定義とその相関関係について解説しました。
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CT撮影における患者の被ばく線量評価システム(WAZA-ARIv2)を本格運用 (2015/01/30)
放射線挙動解析研究グループでは、放射線医学総合研究所、大分県立看護科学大学との共同研究により各医療機関でのCT撮影条件の設定に役立つCT線量評価システムWAZA-ARIv2 [https://waza-ari.nirs.qst.go.jp/]を開発し、平成26年1月30日より本格運用を開始しました。WAZA-ARIv2では、試験運用版のWAZA-ARIに対して患者の年齢や体型をより綿密に考慮して線量を計算する機能等を追加しており、医療機関における患者の被ばく線量の低減や管理に活用すること等が可能になりました。
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土壌に分布した放射性セシウムに対する線量換算係数を計算 (2014/08/05)
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う中長期的な被ばく線量評価では、放射性セシウム(Cs-134及びCs-137)から放出されるガンマ線による被ばく線量を正しく知ることが重要となります。私たちは、土壌中の放射性セシウムによる外部被ばくに対して、年齢別(新生児、1歳、5歳、10歳、15歳、成人)に実効線量を評価するための線量換算係数を、環境中の放射線輸送及び線量評価に関する最新のモデルを用いて国内で初めて計算しました。得られたデータは、レポート(JAEA-Research 2014-017)として公開しました。ここに示されたデータは、土壌に分布する放射性セシウムに対する公衆の外部被ばく線量評価に役立つことが期待されます。
[->レポート]

Copyright© 日本原子力研究開発機構 放射線挙動解析研究グループ

Last modified: October, 2021. (Since: October, 2005.)