CDE: 除染効果評価システム

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CDE: 除染効果評価システム
Calculation system for Decontamination Effect

除染効果評価システムに関するよくある質問と回答

本システムは、どのような人が利用することを想定していますか?
本システムは、除染方法や除染範囲によって空間線量率がどのように低減するかを評価します。したがって、自治体等において、除染作業の開始に先立ち、具体的な除染方法や除染範囲などを検討して、被ばく線量を効率的に低減するための作業手順などを計画立案する方を想定しています。
本システムはどの程度の広さの除染を対象にしているのでしょうか?
本システムは、約100m四方より大きな除染範囲の計画に適したシステムです。
本システムは、どのような地域に適用可能なのでしょうか?
本システムは、山間部や農村等のような人家が散在している地域について、適用可能です。住宅や建物が密集しているような市街地には適していません。
個人宅単位で適用できるのでしょうか?
本システムは、除染領域として約100m四方より大きな範囲を対象としています。したがって、個人宅単位では精度は低下しますが、その箇所での概算値を知ることができます。
家屋内の線量は評価できるのですか?
家屋内の線量評価に必要な家屋での遮蔽効果を考慮していないため、評価値は屋外の空間線量になりますが、家屋内は、屋外に比べて、約0.4倍*の値と言われていることから、家屋内の空間線量率の概算値を知ることができます。 (*飯館村周辺放射能汚染調査チーム(代表今中・京都大学原子炉実験所)による3月28日と29日にかけて飯館村周辺において実施した放射線サーベイ結果の暫定報告より)
表面汚染密度の範囲に制限がありますか?
原理的には、制限範囲はありませんが、約0.5μSv/h以上の比較的汚染密度の高い地域での評価を想定しています。
マイクロスポットも考慮できるのでしょうか?
計算では、最小単位が5m四方であることから、いわゆるマイクロスポットのような小さな箇所のすぐ近くでの線量は計算できませんが、入力の仕方を工夫することでそこから離れたところへの影響は評価できます。
計算に必要な入力データは、どのように入手するのでしょうか?
入力データとして、以下の3種のデータが必要です。
  1. 地形画像ファイル
    たとえば、除染対象領域を100m四方とする場合、除染対象領域周辺の放射性物質からの効果を考慮するために、500m四方以上の範囲を計算対象とすることを推奨します。その範囲のお手元にある地図や航空写真をスキャニング(電子データ化)して作成した画像ファイルを入力データとすることができます。その他に、インターネット上の地図サイト**にて、地図や航空写真を表示・保存することで作成した画像ファイルも利用できます。これらの地図画像を読み込んだ後、その画像を参照しながら、農地、森林等の地形情報を指定していきます。
    (** たとえば、http://denshikokudo.jmc.or.jp/http://portal.cyberjapan.jp/index.html  などがあります。なお、地図サイトを利用される際は、サイト毎に利用規約が異なりますので、ご注意下さい。)
  2. 表面汚染密度データ
    上記 I の地形画像ファイルの範囲に対して、データを準備します。文部科学省が実施した航空機モニタリング(http://radioactivity.mext.go.jp/ja/)による測定結果を入力データとして使えます。その他に、直接、線量計で測定した結果を入力することも可能です。特に、除染対象区域に対して、除染作業前に実施された線量モニタリングが実施された場合には、その結果を入力することにより、より高い確度の結果を得ることができます。
  3. 除染方法に対応した除染係数
    上記 I の地形画像ファイルの範囲に対して、データを準備します。日本原子力学会 クリーンアップ分科会で検討され、リストアップされた除染方法に対応する除染係数が使えます***。そのほかに、除染方法の向上に伴って除染係数が大きくなる場合には、それに対応した値を入力することができます。

    (*たとえば、
評価点から十分離れた位置の汚染土壌まで考慮する必要があるのは、どうしてですか?
線源から評価点まで直接到達するガンマ線(直達線)は、距離の2乗に逆比例して減少します。その他に、一度上空に上がったガンマ線が上空の空気を構成する原子と衝突し、進行方向が変わることにより評価点に到達する“スカイシャイン”という現象があり、これを考慮する必要があります。汚染が2次元的に広範囲に拡がっているので、これらの効果を考えると、遠くの汚染土壌も決して無視することはできないからです。
航空機サーベイによる汚染密度はある幅を持ったカラー表示ですが、システムにはどのように入力しますか?
航空機サーベイによる測定結果の中で、地表面へのCs-134沈着量及びCs-137沈着量のデータを利用します。対象とする地域のカラーを読み取り、凡例から沈着量(Bq/m2)の範囲を求めます。その範囲の平均値を入力としてください。
入力データの作成にはどの位の時間を要しますか?
もっとも時間を要するのは、初めにこのシステムをある地域に適用する場合に必要な、取り込んだ地図情報上に基づいて、計算メッシュ(5m×5m)毎に道路、家屋、水田、畑等の割付を行う作業です。この作業時間は、対象とする区域の大きさや道路や家屋の配置等に依存します。例えば、500m×500mの除染範囲の場合、1〜4時間程度と見込まれます。この時間相違は、道路、家屋、水田、畑等の割付ける領域の詳細さによります。この作業は、同一範囲での除染効果を繰り返し調べる限りは、初めに一度だけやっておけば、後は不要です。
どうして、Cs-137及びCs-134を対象としたのですか?
現在、環境を汚染している主たる放射性核種が、Cs-137及びCs-134であるためです。
Cs-137及びCs-134以外の放射性核種も考慮できますか?
現在の福島第一による汚染状況ではこの2つの核種だけを考慮すれば良いので、これ以外の核種は考慮していません。しかし、原理的には他の放射性核種でも考慮できます。そのためには、システムの改良が必要です。
Cs-137とCs-134の半減期が異なるが、計算ではその点を考慮していますか?
はい、考慮しています。具体的には、線量を評価する日を入力することにより、評価日までの間に放射性崩壊によって減少したそれぞれの量の割合を求めています。その結果から、Cs-134とCs-137の半減期を考慮した評価日の空間線量寄与率を求めています。
除染方法を変更した場合(すなわち、除染係数が変わった場合)、その効果はどのように分かることができますか?
除染方法を変更する前と、変更後のそれぞれのケースについて、計算を実施します。その結果の比較から、変更した効果を知ることができます。 因みに、1回の計算時間は数秒程度です。
このソフトの難点、今後改良していかなければいけない点はどのように考えていますか。
本システムでは除染対象領域の面積を容易に求めることができるので、それを利用して、汚染除去した土壌等の容積計算ができるような機能の充実化を考えています。
利用申請後、IDとパスワードはどのくらいで発行されますか。
IDとパスワードは、休日を除いて、即日もしくは翌日に発行しています。3日以上経っても返信のない場合は、メールアドレスの誤記入などにより、連絡がついていない可能性があります。お手数をおかけしますが、再度ご申請ください。
入出力シートに表示される地形画像が2重になるなど、表示が変です。どうしてですか?
入出力シート上に重ねられた地形画像をキーボードの「Delete」キーやマウス操作によって削除したためだと考えられます。地形画像の表示/非表示を切り替える場合は、操作シートのチェックボックス「入出力シートに画像を重ねる」をクリックすることにより操作して下さい。
地形データ表(「設定」シート右のID、汚染密度、除染係数などの表)を他のCDEファイルからコピーしたのですが、CDEが正常に動作してくれません。どうしてですか?
「設定」シートにある地形データ表内の斜面効果のチェックボックスや汚染密度の単位のラジオボタンがコピーされないためであると考えられます。同シート左上の「1行追加」ボタンをクリックし、コピー元の表と行数を揃えてから地形データ表を貼り付けて下さい。
地形データの入力途中に拡大/縮小するとセルと背景がずれてしまいます。どうしてですか?
一度、他のシートを表示することにより、セルと背景のズレが解消されます。なお、バージョン2.03以降では、この不具合は修正されております。(32bit環境)
地形IDはいくつまで登録できますか?
地形IDは100個まで登録可能です。100個以上登録するとパレット使用時や除染効果計算時に不具合が発生することがありますのでご注意下さい。
地形画像を読み込むとファイルサイズが大きくなります。どうしてですか?
CDEの仕様上、地形画像を読み込むとファイルサイズが大きくなる場合があります。具体的には、読み込まれた画像はCDE内部でビットマップ「.bmp」形式に変換され、無圧縮で画像データが保存されます。このため、画素の多いjpeg等の圧縮形式画像を読み込み保存した場合、ファイルサイズが数十MBになることがあります。元画像の画素を減らすことで、ファイルサイズを縮小することが可能です。
メッシュ毎に表面汚染密度の数値を与えたいのですが、全メッシュ数のIDを作って地形データ分布を作成するのは面倒です。なんとかなりませんか?
「GPS参照(ポイント値)」の機能を使うことで、IDから独立してメッシュ毎に表面汚染密度を与えることができます。あらかじめ「GPS入力」において、各メッシュに対応する緯度経度とそのメッシュにおける汚染密度のデータベースを作成して利用して下さい