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研究内容

Research

分離変換技術で地層処分場を変える

核変換システム開発グループでは放射性廃棄物を「分離変換」し、地層処分場をより良いものにすることを目指しています。


図1 現在提案されている処分概念

放射性廃棄物の中には様々な元素が含まれているので、まず「分離」しなくてはいけません。これは、家庭ごみを分別するのと同じです。放射性廃棄物は大まかに5種類の特徴を持ったグループに分けられます(表1)。


表1 高レベル放射性廃棄物の内訳

中でも、一番上のマイナーアクチノイド(Minor Actinide, MA)は放射能を発している期間が長く、また、人体への有害度が大きい(図2)です。


図2 高レベル放射性廃棄物に含まれている元素群の放射性毒性の推移

LLFPも長い期間放射能を発します。ストロンチウムとセシウムは数十年の期間、強い放射能を発し、処分を行っている最中に影響が大きいグループです。そのほか、貴金属元素のような再利用可能な元素や、処分が容易なその他の元素を分けます。

分離したMAとLLFPは「核変換」によって、放射能の無い、あるいは小さい元素にします。これは、ごみの焼却に似ています。例えば、99%のMAを核変換すれば、図2>のMA(紫の線)が1/100に小さくなります。

高レベル放射性廃棄物は発熱しているので、間隔をあけて埋めると考えられています。しかし、分離変換技術で、マイナーアクチノイドの核変換と、ストロンチウム・セシウムの長期貯蔵を行うと、処分場の大きさを大幅に小さくすることができます(図3)。高レベル廃棄物(ガラス固化体)のための処分場の大きさは1/100にまで小さくなります。


図3 分離変換によって処分場を小さくする

参考文献

K.Nishihara, S.Nakayama, Y.Morita, H.Oigawa, T.Iwasaki, “Impact of Partitioning and Transmutation on LWR High-Level Waste Disposal”, J. Nucl. Sci. Technol., 45, 84-97 (2008).